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邦衛さんが….。

邦衛さんが…。

旅立ってしまった。

88歳だったと知って、驚いた。
私の中では、長いこと年を取らない人だった。

ボルサリーノと聞いて思いだすのは、アロン・ドロンではなく、田中邦衛さんの顔。

【トラック野郎】シリーズの中でも、邦衛さんが桃次郎の敵役“ボルサリーノ・2”に扮して登場するシリーズ2作目【爆走一番星】(1975年)が一番好きです。
とくにボルサリーノ・2が、口をとんがらせて名乗りを上げるシーン!
それはもう、好きな理由を説明しろと言われても分からない好き具合。
とにかく、何度も観たくなっちゃう。
サングラス外しながら『ボルサリーノ(ワンブレスして)トゥー』。
邦衛さんの“ボルサリーノ・トゥー”。何べん繰り返したかわからない(涙)

邦衛さんといえば世間的には、「北の国から」のお父さん役、なのかもしれないな。
私は「北の国から」を観たことがないので。
北の国からを観ていない私が、邦衛さんを好きっていうのはちょい反則っぽいか…。
いつか観よう観よう、と思っているのに、本能が避けてしまう、「北の国から」。
嫌いだからではなく、きっと影響を受けてしまうことが分かるから。

だから。

邦衛さん、と聞いて、一番に思うのは、やっぱりボルサリーノ・トゥー(2)。

それから【仁義なき戦い】シリーズ(1973~74年)の槇原。

槇原役も、すごいリアリティだったなぁ。

上昇志向に器がついていかない小物の槇原。
そのことを自分で薄々わかっているから、タチが悪く、ずるい。
こずるくて、すぐ日和って、文字通り仁義もへったくれもない。
実際に槇原みたいな男は、世の中では一番嫌われるタイプだと思うけど。
邦衛さんが演じた槇原は、どことなくユーモラスだった。
なんていうか、やくざ映画なのに、槇原の存在は何となく身近に感じて、憎みきれなかった。
ドンパチドンパチ、人がバタバタ死んでいく画面の中で、槇原には妙な安定感がありました。
槇原みたいな男が結局畳の上で死ねちゃうんだよなぁ、って思ったくらい。(予想が外れて、殺されちゃったけど^^;)
とにかく、あの小物っぷりを、あの優しい目元で、あのリアリティで演じられるって、すごい役者さんだなぁと思った。
槇原の本能的な狡さを、あれほど上手に演じられる人は他にいないと思う。
槇原は邦衛さんのはまり役だったと思います。

ここしばらく、邦衛さんの姿が見えないから、心配していたんだけど。
やっぱり(涙)

悲しいです。

今日は、邦衛さんを想いながら、久しぶりに【トラック野郎・爆走一番星】を鑑賞しようと思います。

桃さん役の菅原文太さんも亡くなってしまったし。
ジョナサンの愛川欽也さんもいなくなっちゃった。
そばに寄ったらニオイがしそうな役者さんが、この世からどんどんいなくなる。
さみしいなぁ…。

邦衛さん、楽しい時間をありがとうございました!
88年間本当にお疲れさまでした!どうぞ安らかに。

邦衛さんが旅立ってしまった今。
山崎努さんには、黙っていなくならないで欲しいですっ。

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コトニトコ

50代の漫画描くおばさん。いつもご機嫌です!

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